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「野菜ラーメン¥750」@ラーメン専門店 天心の写真平日 晴天 13:25 先待ち6名 後待ち5名

令和改元記念 特別企画

〝諸国麺遊記 中国編〟

今回のラーメン巡りの旅も無計画なまま進行中である。今夜の宿泊先も帰りのチケットも持たずに、行き当たりばったりの旅を続けている。

現在は人生初の松江でのラーメンを食べた後に松江駅まで再び戻ってきた。駅までのバスの車内で次の目的地を探していると、お隣の鳥取県へのアクセスが良さそうだと気付いた。そこでRDB総合ランキング鳥取県第1位に輝いている店を調べて電話で営業確認をしてみたが応答がない。定かではないが、GW明けの本日は定休日なのだろうか。残念ではあるが仕方なく次の候補店へと切り替える。鳥取県第2位の店は本日も営業しているようで松江駅からのアクセスも良好だ。そこで本日二県目の二杯目としてコチラへの突撃を決めた。

そうと決まれば米子行きの時刻を確認すると20分後に出発する列車があった。慌ててチケットを購入して、松江駅 12:35発 山陰本線特急 スーパーおき2号 米子行きに乗り込むと30分足らずで終点 米子駅に着いた。

しかし一食目から1時間半しか経っていないので連食できるか心配だったが、こちらの店までは移動手段が徒歩しかないらしい。歩いて20分くらいかかるようなので腹ごなしも兼ねて、すぐに店へと向かって歩きだした。駅からの道中で遠くに見えた、鳥取県の名山である大山の山頂には雪が残っており、その雄々しい姿には感銘を受けた。これは歩いていないと見過ごしてしまいそうな景色である。そんな雄大な景色を目の前に20分ほど歩くと道路沿いに大きな看板の店先を見つけた。昼時をも店頭には長蛇の列にが並んでいるが、焦った旅ではないので気長に待つことにする。

赤いテントの軒先に掛けられたヨシズの影で外待ちベンチに座り待機する。隣接した駐車場は常に満車で、駐車待ちまで発生している。行列の客層も私よりも先輩方が多く見られるのは、あっさり系ということにだろうか。前列の70代に見える姉妹の会話の内容が病院通いと薬の話題ばかりだったが、そんな体調でも食べられるラーメンなのかと期待がふくらんだ。

行列して待っていると並びを飛ばして入店する家族連れが二組もあったが、予約も可能なのだろうか。そんな状況なので並びの進みも遅く、来店してから30分以上かかって入店となった。店内に入ると券売機などはなくカウンターに案内されると卓上メニューから品定めをするが、周囲の先輩方はほとんどがチャンポンのようなラーメンを食べている。思わず隣の方に聞いたら野菜ラーメンとの事だった。圧倒的なボリュームに見えたが高齢者が食べているのであれば大丈夫だろうと思い、ホールスタッフさんに告げてから店内観察をはじめる。

L字カウンターとテーブル席がある広めの店内を、本日は女性だけの四人体制で回している。店内の雰囲気は八王子の「タンタン」を、ふた回り大きくしてテーブルを置いた感じだ。女性だけの手慣れたオペレーションは完全分業制で成り立っている。巨大な片手中華鍋で野菜をあおる女性の上腕は細いながらも筋肉隆々で頼もしい。同時に6杯ものロットをさばいているが、安定した連携プレーならではの大量生産なのだろう。

そんな大胆且つ繊細なオペレーションを眺めていると着席して6分で我が杯が到着した。その姿は口縁には双喜に龍が、胴には寿が描かれた非常に縁起の良い高台丼の中で地方色の強さを表現している。改めてその姿を見てもチャンポンとしか例えようのないビジュアルだ。圧巻のスタイルに尻込みしそうになるほど迫力がある。実際には卓上メニューの一番下には小盛りもあると書いてあったが、前に置かれたティッシュの箱で隠れて見えなかったのだ。だが時はすでに遅しで仕方なく、心を決めてレンゲを持った。

まずはスープをひとくち。少しだけ霞んだスープをレンゲですくうのは大量の野菜たちが邪魔をして一苦労だ。レンゲの背中で野菜を押し込むようにすくってみると、最初に鼻に届いたのは炒めた野菜たちの甘い香りだった。それから煎りたてのように香ばしい煎り胡麻の香味が伴ってきた。土台にはオーソドックスな鶏や魚介の出汁が派手さはないが基礎を作っている。鳥取県 No.1 ともなれば、てっきり牛骨ラーメンかと思い込んでいたので予想外なスープだった。カエシの醤油ダレも控えてあるので全体的に野菜の甘みを中心としたスープに仕上がっている。

麺は麺箱の中の生麺の状態を見ると自家製麺のように思われる。タッパーの中で折りたたまれずに丸められた中細麺ストレート麺を茹で釜に投入すると105秒で麺上げされていた。そんな麺を野菜の山の中から連れ出すように持ち上げてみると、昔ながらの中華そばではない、洗練されたしなやかそうな麺質が浮かび上がった。真っ直ぐで素直そうな中細麺を一気にすすり込んでみると、勢いよく飛び込んできた吸気に混じって若干のカンスイ臭も伴っていた。過度ではないが気になる要因だ。しかしそれ以外は切刃の角を感じられるほどシャープな口当たりで、モッチリとした歯応えも持ち合わせ、滑らかな喉越しまでも兼ね備えている。失礼な言い方になるが、都会的で感性が現代風な麺質の虜になってしまった。噛めば小麦の甘みと野菜の甘みが重なる事で相乗効果を生んでいる。

具材は見た目通りの野菜炒めがフルボリュームで乗っている。野菜たちの内容は季節柄でもあるだろうが、柔らかい春キャベツは千切りよりも太めのざく切りがリーダー的存在。春キャベツならでは優しい甘みを支えるのがニンジンの細切りの甘みと苦み。柔らかな春キャベツの食感をアシストするのがモヤシと、三位一体となってラーメンの中で個性を主張している。本当に音が聞こえるほどのシャキシャキ感が、このラーメンの醍醐味でもあると言えそうだ。あまりの大量に飽きてきそうになると、豚バラ肉が小さいながらもアクセントとなって食欲を刺激してくれる。

薬味の白ネギは唯一の生野菜らしい香味で変化を付けてくれた。また時々噛みつぶした煎り胡麻の風味も忘れてはいけない仕事ぶりだ。

序盤から全体の量の多さには手こずりながら麺だけは完食できた。しかしスープにはクセになる旨味も潜んでいるので飲まずにレンゲを置いた。野菜も頑張ってみたが 80%くらいしか食べる事が出来なかった。

周囲の先輩方はゆっくりではあるがゴールに近づいているように見えた。ゴールと言っても人生のゴールでは決してなく、あくまでも完食という事を明確にしておきたい。はち切れそうな腹を抱えて店を後にするが今後のノープランに焦りが出始めたので、ひとまずは移動拠点となる米子駅まで再び歩いて戻ることになった一杯でした。

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